結婚指輪を普段していない方でも、そもそも結婚指輪を購入しなかったという方は少ないのではないでしょうか。今や日本人の文化として一般的なものとなっているこの習慣ですが、その起源を知っているという方はあまりいないでしょう。実は、結婚指輪や婚約指輪という習慣は、かなり昔から存在していました。その発祥は約2000年前の古代ローマ、ギリシャ時代にさかのぼると言われています。
ローマ帝国国内では、妻となる女性との契約を示すものとして、鉄でできた指輪を贈ることが習慣となっていました。その後、キリスト教が普及してくると、結婚の際に神様へ誓った証として指輪の交換が行われるようになります。今のように装飾のある指輪の文化が始まるのはそれからずっと先の中世のころです。婚約指輪として、ルビーなどの宝石をあしらったり、凝ったデザインの指輪が使われるようになりました。
今のようにプラチナ、シルバーなどの指輪が結婚指輪として使われるようになるのはさらにその後、19世紀ごろの話となります。純白のウェディングドレスを結婚式で着るようになるのもこの頃からのようです。日本にこういった文化が入ってきたのはさらに時代が進み、高度成長期のころとなります。まだまだ始まってから50年ほどの習慣、ということになります。
日本では歴史の浅い結婚指輪の習慣ですが、2000年以上の歴史があり、古代ローマ帝国のころから結婚の証として使われていて今も続いている、人と人との結びつきを示す文化として、素晴らしいものと言えるのではないでしょうか。